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日本語版VOCALOID(特に寒色兄妹)好きな 中途半端な絵描き&文字書きの徒然日記
2017 . 09
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    カンタレラの設定で、自重せずに話を作ったらこんな事になりました。



    ※グロ、流血、病的に救いようがない話なので閲覧注意。



    叔父であるレオン卿来訪を祝う晩餐の最中、
    カイザレは突如胸部を木の杭で貫かれたような衝撃に襲われた。
    次いで襲う吐き気と眩暈。それらを知覚した次の瞬間、
    カイザレはそのすべての原因に思い至り、
    驚愕と絶望の浮かんだその蒼い瞳を見開いた。

    身体を引き裂かれているような凄まじい痛み。千切れていく己の思考。
    霞む視界の端には何事かを叫ぶミクレチアの姿…そして、カイザレは意識を失った




    腫れぼったい目蓋をこじ開け、カイザレは目覚めた。
    恐ろしいほど体がだるく、指を動かすことすらままならない…
    それでも何とか視線をめぐらせ、
    己が自分寝台に横たわっている事を知覚し、彼は小さく呟いた

    「…助かったのか…」

    意識を失う前、カイザレが感じたのは
    己が扱う毒薬「カンタレラ」による中毒症状だ。
    雪白な味の良い粉薬であるそれは、
    時に調合者の命すら奪いかねない危険な毒物であったが、
    それを扱う代々のボカラジアの当主達は、
    幼少より、致死量に満たないその粉末を摂取し続けることにより
    ある程度の耐性を身につけていた。
    無論カイザレも例外ではなく、
    幼少期には無理矢理この毒を与えられては倒れることも少なくはなかった。
    しかし、あくまで幼少の頃の話だ。かなりの耐性をつけた今の自分が倒れるとは、
    一体どれほどのカンタレラを盛られたというのだろう?
    …そもそも、カンタレラの保管場所は己と…

    「目が覚めたようだな。カイザレ」
    「レオン…叔父上…」
    思考を遮ったのは、天蓋から垂れるレース地の向こうから聞こえた叔父の声だ。

    「随分長いこと眠っていた。流石のお前でももう駄目ではないかと疑ったよ。」
    「…ご心配をお掛けしたようで、申し訳有りません…」
    鉛のような身体をどうにか起こしながらカイザレは答える。
    本音を言えば一喝してでもこの部屋から
    追い出したいところであったが…
    いくら当主だとはいえども実質的に親族を束ねる叔父に、
    そのような無礼が許されるはずがなかった。

    「…それにしても、おぞましい姿に変わったものだなカイザレよ
    国一の美丈夫と謳われたお前が、まさかそのような肉塊に形を変えるとは…
    つくづく恐ろしいなカンタレラの毒は…」

    「な…に……?」

    突然の言葉が理解できず、カイザレは己の手を見つめた。
    赤黒くひび割れてたそれを見て、
    慌てて寝台の横に置かれた飾り付きの手鏡へとその手を伸ばす…

    「…馬…鹿な…っ!」

    手鏡の中に移った己の姿に、カイザレは言葉を失った。
    そこに映っていたのは見たこともないような醜い肉塊。
    唯一姿を変えていない艶めいた瑠璃紺の髪が
    なければ、おそらく自分の顔だと知覚することすらできなかっただろう。
    白磁のようだった肌はボロボロに崩れ、総じて赤黒く爛れている。
    膿が所々に溜まり、腫れ上がった目蓋の隙間から、輝きを失った瞳が覗いている
    それは、思わず自分でも目を背けたくなるような、おぞましくも醜い姿…

    「我々ボカロジアの者は『カンタレラ』にある程度の耐性は持っている
    だが、それでも限界はあるのだカイザレよ。
    死なずとも、そのような姿に身を窶すこともあるのだ」
    諭すような叔父の声に、カイザレはこの叔父こそが、
    この事態の首謀者であることを瞬時に理解した。
    「…何故だ…何故このような…っ!!!」
    慟哭にも似た甥の叫びに、レオンは静かに首を横に振った。

    「ミクレチアを王太子の下へ輿入れさせれば、
    ボカロジア家の地位は盤石なものとなる。
    優秀な策略家のお前なら、分からぬはずがあるまい…」

    それは以前から聞いていた話だった。
    美しいミクレチアの噂を耳にした王太子が、彼女を妃にしたがっていると…
    しかし、王太子にはすでに正妃を娶っており、
    ミクレチアとの年齢差も大きかったため、なにかしら理由をつけて、
    カイザレはその申し出を拒絶し続けてきたのだ
    無論、彼女を輿入れさせない最大の理由は…

    「黙れ!アレは…ミクレチアは私のものだっ!
    王太子であろうと、神であろうと…
    ミクレチアには指一本たりとも触れさせるものか!!」

    荒ぶる感情そのままに、カイザレは、彼にしては珍しく怒声をあげた。
    聞いたものをその場で萎縮させるようなその声にもかかわらず、
    レオンは涼しい顔で首を振った。
    「…その姿でそれをいうのか?」
    この一言に、カイザレは言葉を失った。

    「お前は固執しすぎたのだカイザレよ。
    すでにお前達の噂は広がりつつある…。我らが親族達は危惧しているのだ。
    自分が築いた家の繁栄を、自ら滅ぼすような愚かな真似はしたくなかろう?」
    まるで幼子に言い聞かせるように、レオンは天幕の向こうから語りかけてくる。
    「安心するがいい。お前は流行病の療養のため、
    家督を私に譲った後に北の地へ移り住むことになっている。
    お前が素直に従う限り、その醜い様を世間にさらけ出すことはせぬよ
    …家の面目もあるからな。」
    「…黙れ下種ッ!!それ以上貴様の耳障りな声など聞きたくもない!!
    失せろ!!」

    それは、カイザレ・ボカロジアという一人の貴族に対する死刑宣告だった。
    すべてを奪い北の地へ追い出すという叔父の言葉に、もはやカイザレは為す術を持たない。
    その貴族としての最後の誇り故、
    高笑いをしながら部屋を出ていく天幕の影に飛びかかることも出来ず…
    扉が閉ざされた後、カイザレはすべての感情を込め、拳を寝台へと叩きつけていた。


    「…お兄様…」
    天幕の向こうから聞こえた、微かな声に、カイザレは動きを止めた
    「ミク、レチア…」
    呼び慣れたはずの名前が喉に張り付き、上手く音を紡ぐことが出来ない…

    「あの…お兄様がお目覚めになったと聞いて…その、お話がしたくて…」
    妹の戸惑うような声と徐々に近づく影に、カイザレはまるで怯えたような大声を上げた。

    「寄るな!!」

    兄から発された拒絶の言葉に、ミクレチアはびくりと肩を震わせる。
    「…話がしたいだと?何を話すつもりだ…
    抜け殻同然の、畜生にも劣る姿になったこの兄を笑いにでも来たのか?」
    「そんな…つもりは…」
    自分に対して始めて声を荒げる兄に怯えながら、ミクレチアはそれでも必死に声を紡ぐ
    しかし、今のカイザレにその声は届かない

    「ではどんなつもりなのだ!?
    夕食の時、お前と私は同じ卓を囲んだ…なのに何故お前は無事なのだ?
    カンタレラの場所を知っているのは当主たる私とお前だけの筈だ。
    何故叔父上が持っている!?」
    どん と寝台を殴りつけた音が部屋に響く…

    「……貴様、私を裏切ったな……」

    ミクレチアは目を見開いた。
    「違う!違うのお兄様!!カンタレラを持ち出したのは確かに私です!でも、決してお兄様を…」
    「煩い!!貴様のような下卑の女に兄と呼ばれる覚えなどない!
    貴様の身体なぞ所詮道具に過ぎぬ!さっさとあの愚劣な王太子の下へ嫁ぎ、
    その淫らな脚を開くがいい!…二度とこの私の前に現れるな!」
    激高したカイザレの言葉を聞き、ミクレチアはその場に崩れ落ちた。

    「…いや…」
    「なんだと?」
    掠れるようなミクレチアの声
    それは、おそらく、生まれて初めてカイザレが耳にした、兄に対する反抗の言葉だった。
    この期に及んでもカイザレは妹が己に反抗するとは露も考えていなかった。
    それ故、この僅かな反抗の一言がカイザレに与えたショックは消して小さくなかったのだ
    もはや押さえようのない怒りに拳を握り、カイザレが再び口を開こうとした、その矢先…

    「……いや…です…。お兄様に、あなたにあえないのは…いやです…。
    嫌われるのも、いや…………道具でも…妹じゃなくても…いいです……
    でも、嫌われるのは…離ればなれは…いや…です…」
    しゃくり上げる合間に聞こえる幼子のような妹の声に、カイザレの怒りは突如消え失せた。
    しかし、替わりに体中に満ちたのは、どうしようもない慚愧の念だけであった
    「…ではどうするというのだ。
    …このような姿…お前には、お前にだけは…晒すわけにはいかぬのだ!!」

    血を吐くようなカイザレの叫びに、答えは返ってこなかった。
    しばらく間をあけてから代わりに聞こえてきたのは、
    妹の衣擦れの音と痛みを押し殺したような呻き声。
    そして、むせかえるような錆びた鉄の匂い…

    「ミクレチア…何をした?!」
    天幕の向こうで妹の身に何かが起きている。
    カイザレは、一瞬その手を止めながらも、天幕の外へと飛び出した。


    目に飛び込んできたのは、俯くミクレチアとその足元に広がる血溜まり…
    彼女の手には小さな飾り付きの短剣が握られており…その刃先は…
    彼女の右目を貫いていた。

    息を呑むカイザレの目の前で、
    ミクレチアは短剣を引き抜くと、今度は迷いもなく左目を突いた
    再び溢れる深紅の奔流。その激痛を堪えながら、ミクレチアは短剣を捨て去ると
    兄がいるであろう方向へと、その無惨な両目を晒し微笑んだ。

    「…これで…お兄様の姿は、見えません…。
    お嫁に、行くことも…できません…だから……そばに…」

    そこまでだった。
    彼女の細い精神の糸は、押し寄せる激痛の波に耐えられず、ぷつりと切れた。
    同時に崩れ落ちる身体を支えるように受け止めて、カイザレは静かに、笑った。

    「……私は、お前ほど愚かな女を見たことがない……愛しているよ、ミクレチア…」




    【BAD END1】終劇



    …ところで、これなんて 春琴抄?
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